英日 誤訳どんぶり

英語から日本語への誤訳あれこれ 「人の訳見てわが訳直せ」
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学生のためのベンチャー指南--(その1)

探してみるとWebコラムやエッセーを翻訳して自分のサイトに載せている方はそこそこいらっしゃいます。今回は、前回取り上げたサイトのリンクをたどって見つけたページからです。さながら「ひとりテレホンショッキング」といったところでしょうか。


最初に1点付け加えておきますと、このシリーズは、これまで以上に「あら探し」要素が強いです。なぜなら、今まで取り上げた中で、訳を読んではじめて「うまいなあ」と思ったからです。同じ原文から、自分にはこのレベルの訳文を作り出せないなと思ったところが、たくさんありました。


実際「うまいなあ」と思った箇所の方が多いのですが、そちらには一切触れず、書き出すのは「ん?」と思った箇所だけです。そういうひねくれた企画ですので、ご勘弁ください。


訳と原文を続けて引用します。


多分、実力の怪しいヴァイオリニストが誰に対しても評価を求められたら「プロになる才能はないな」と言うのと同じだ。

For the same reason that the probably apocryphal violinist, whenever he was asked to judge someone's playing, would always say they didn't have enough talent to make it as a pro.


この訳について私が問題と感じたのは、以下の2点です。


  • 「誰に対しても評価を求められたら」という日本語は、評価する対象が何なのかがあいまいで、意味が取りにくいこと。
  • 「多分」が「同じ」にかかっているように読めること。対応する原文のprobably はapocryphal にかかっているので。

こうしてみました。


それは、実力の定かでないヴァイオリニストが誰かの演奏について評価を求められると、必ず「プロになる才能はないな」と言うのと同じ理由からだ。



■probably apocryphal についての補足


Googleで検索した結果を読んでいくと、カッコに入れての用例、すなわち、(probably apocryphal) となっている用例が目立ちました。2語セットで「信憑性が疑われる」といったニュアンスを持つ言い回しのようです。被修飾語としてはstory やwords など、言説に関する名詞が多かったです。原文のように人を修飾する例は、皆無ではなかったものの、かなり珍しいように思いました。



日本語版へのリンク 原文へのリンク


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