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種が蒔かれた―『明日は誰のものか』謝辞(その1)
■はじめに 〜Seeing What's Next〜

『コンサルタントの秘密』を対象にちまちま邦訳の確認をやっていると、気がついたら4か月経っていました。世間的にどうかは知りませんが、少なくとも私には「翻訳書1冊まるごと比較対照」が好評なので、頼まれもしないのに“翻訳書検定委員”を標榜して続けることにします。


次は何にしようかと思案中に偶然、クレイトン・M・クリステンセンの著作の邦訳『明日は誰のものか』について
「誤訳が多く、読みにくく、お勧めできません」
と、勝間和代氏がブログに書いていたのを見かけました。さらにamazon.co.jp などで同書の評価を見てみると、訳が読みにくい、誤訳が多い旨のレビューがいくつかありましたので、これがいいと思い、書店に向かいました。店頭で見つけると相当に分厚い本で一瞬たじろぎましたが、思い切って買ってきました。次を探した結果、Seeing What's Next(原題)にするというのも、洒落が利いていますし。



読みにくいことは、私も読み始めてすぐに同意できました。簡単に言えば、本書の文章は「音痴」です。リズムが悪く、ところどころ調子っ外れで、読んでストレスがたまります。


そうこうしているうちに取り寄せた原書も届きましたので、もう1つの評価「誤訳が多い」は本当か、これから突き合わせて見ていくことにします。



■巻頭の第一文から

さっそく、著者クリステンセン氏による「謝辞」冒頭の文章からです。(下線はやしろ)



 本書が世に出るための種が蒔かれたのは、一〇年ほど前、… (p.7)

The seeds of Seeing What's Next were sown almost a decade ago … (p.vii)


これは間違いだとは言えませんけれども、今後の「基準ライン」にするつもりで取り上げました。このままでも意味は通りますが、sow the seed of something で「ある特定の状況や結果につながるプロセスを開始する(to start the process that leads to a particular situation or result)」(OALD)という意味なので、こちらを前面に出して、こうしました。



本書が世に出るそもそものきっかけは、一〇年ほど前、…



イディオムであればなるべく、字面どおりにではなく、それが意図するところを汲み取って訳すのがよいかと思います。その癖をつけておかないと、イディオムと気づかないときに、きっと悲惨なことになってしまうでしょう。


今後見つけた“グレーゾーン”訳については、今回以上に“黒い”ものを取り上げる、そんな基準にする予定です。



日本語訳:明日は誰のものか イノベーションの最終解
明日は誰のものか イノベーションの最終解
 
原文:Seeing What's Next: Using the Theories of Innovation to Predict Industry Change
Seeing What's Next: Using the Theories of Innovation to Predict Industry Change
 (Amazon.co.jp)


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