英日 誤訳どんぶり

英語から日本語への誤訳あれこれ 「人の訳見てわが訳直せ」
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that がダメ?―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 9(その5)

原則4のコツ9からです。(下線はやしろ)


支援を申し出るか、支援を実行しようと決めたら、少なくとも自分が親切な人間であることを伝えるべきだろう。 (p.241)
If you decide to offer help or leap into helping action, that at least will send the message that you are a helpful sort of person. (p.151)


伝える「べき」というのは捏造です。原文中のthat は代名詞で、この文の主語です。「少なくとも」以降をこうしました。


自分が親切な人間であるというメッセージを少なくとも伝えていることになる。



日本語訳:人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則 原文:Helping: How to Offer, Give, and Receive Help (Amazon.co.jp)


| 微妙に不正確 | 09:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
小さいところを―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 9(その3)

小さいところを2つです。(下線はやしろ)


1つめ、原則1のコツ3からです。


支援が必要とされなければ、適切でもない場合も多いのだ。 (p.236)
…, and often help is neither needed nor appropriate. (p.148)

これは誤訳というより、日本語表現が中途半端になってしまっている気がします。「必要とされておらず」ぐらいですね。



2つめ、原則2のコツ4からです。


 あなたがこうしたことをきちんと尋ねれば、クライアントは状況や意思を少しはコントロールできるという気持ちになり、支援をより受け入れやすくなるだろう。 (p.236)
If you have done that, the client will feel a little more in control of the situation and will, therefore, be more able to accept help. (p.148)

このwill は名詞ではなくて助動詞です。
the client
(1) will feel …
and
(2) will, therefore, be more able to …
という構文ですね。


訳の下線部をカットすればとりあえず許容範囲内かと思います。



日本語訳:人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則 原文:Helping: How to Offer, Give, and Receive Help (Amazon.co.jp)


| 微妙に不正確 | 06:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
サブカル組織―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 8(その15)

章末の「まとめ」からです。(下線はやしろ)


なぜなら、組織とはサブカルチャーの集まりであり、行動の変革がなされるべきグループの文化を理解するまで何一つ変わらないということを、つねにリーダーは受け入れなければならないからだ。 (p.228)
Because organizations are sets of sub-cultures, leaders must always accept that nothing will change until they understand the culture of the group in which the behavioral changes are to be made. (p.143)

日本語の「サブカル」を連想してしまうので、「サブカルチャー」はいまいちですね。辞書にある「下位文化」も生硬すぎるので、何か適当に考えます。


それだけなら訳語のセンスの問題なのですが、構文の読み方が違っています。Because 節は途中のカンマまでですから、後半は理由ではありません。


こんなところでしょうか。


組織というのは多様な文化の集まりなのだから、リーダーはつねに、行動変革を目指すグループの文化を理解するまでは何も変わらないことを受け入れなければならない。



日本語訳:人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則 原文:Helping: How to Offer, Give, and Receive Help (Amazon.co.jp)




| 微妙に不正確 | 06:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
変革のプロジェクト―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 8(その11)

「『変革』における支援の役割とは?」からです。(下線はやしろ)


こうしたプロジェクトの種類は、外部の技術的、政治的、または経済的な力によって決定づけられるせいで、目標に交渉の余地がない最初のうちは、変化を起こすのがいかに容易かということも示している。 (p.222)
These kinds of projects also illustrate how change can be facilitated when the goals are initially non-negotiable because they are fixed by outside technological, political, or economic forces. (p.138)

主眼は種類でなくプロジェクトです。たとえば、
You are always making these kinds of mistakes!
だったら、叱責の対象はkinds じゃなくmistakes です。


「最初のうち」とも読めますが、この後ろを読み進めても、後から交渉の余地が生まれるような話にはなっていないので、initially はoriginally の意と取り「最初から交渉の余地がない」と解した方がよいかと思います。


下線部がhow making changes can be facilitating だったらそう読むのも可能ですが、can be facilitated と受動態なので、意味としては「change はどのようにfacilitate されることができるか」です。


以上をふまえて、こう直しました。


また、この種のプロジェクトは、目標が外部の技術的、政治的、または経済的な力によって定まっているため、そもそも交渉の余地がないときに変化をどうやって推進していけるかを示してもいる。



日本語訳:人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則 原文:Helping: How to Offer, Give, and Receive Help (Amazon.co.jp)


| 微妙に不正確 | 06:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
日本語発想の訳語―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 8(その6)

これも「事例8−1 CEOがコンサルティングを求めるとき――リーダーの支援モデル」からです。(下線はやしろ)


 たとえば、外科チームでは、外科医や麻酔専門医、看護師の間での意思の疎通は一つのグループとしてプロセス化できる。 (p.220)
For example, the interactions in the surgical teams among surgeons, anesthetists, and nurses can be processed by them as a group; (p.137)

「対処ができる」ですね。be processed からは、どうやったって「プロセス化する」という意味は出てこないと思います。「be processed → プロセスされる → プロセス化する」としたのなら、それは日本語の発想です。「プロセス化」だったら、(ない単語ですが)be processized でなければいけないでしょうね。



■使われていたprocessize

試しにprocessize をGoogle で検索してみたら、その名もprocessization.com というサイトがありました。辞書には載っていませんし、検索のヒット件数も3ケタ台なので、現状ではマイナーな造語のようです。



日本語訳:人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則 原文:Helping: How to Offer, Give, and Receive Help (Amazon.co.jp)


| 微妙に不正確 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
同格ではありません―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 8(その3)

「事例8−1 CEOがコンサルティングを求めるとき――リーダーの支援モデル」からです。(下線はやしろ)


[ ]内は前の語句に振られているルビです。


グループや組織のダイナミクスに関するそうしたプロセスについての考察は、情報という裏づけのあるものであり、支援者は公表を差し控えてはならない。さらに、プロセスに関するそうした専門知識がないせいで、クライアントがいっそう低い位置[ワン・ダウン]にいると感じないように発表すべきである。 (p.217)
Such process insights about group and organizational dynamics are legitimate items of information that must not be held back by the helper, yet must be presented in such a way that the client does not feel further down for not having such process expertise. (p.135)

この訳者の方はとにかくof を同格に訳したいみたいですが、それで意味がおかしくなっています。ここは「正当な情報の項目」と所属の意味に読めば通じます。


ほか、yet による論理の転換が訳し出せていませんので、そこも直します。


「insights は information のlegitimate items である」をいい日本語にするのが難しいですが、こうしました。


グループや組織のダイナミクスに関するプロセスの見識というのは、まさしくひとつの知見である。支援者はこれを隠してはならないが、提示のしかたは、プロセスに関するそうした専門知識がないせいでいっそう低い位置に置かれているとクライアントに感じさせないものでなければならない。



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| 微妙に不正確 | 05:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
毎度の見失い―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 8(その1)

Chapter 8「支援するリーダーと組織というクライアント」に入ります。「誰がクライアントなのか」から2つです。(下線はやしろ)


1つめです。


クライアントであるリーダーは診断や指示を下したがる場合が多く、支援プロセスの中にはいない、組織のほかの人を含んだプログラムの実行に支援を求めることもある。 (p.209)
The client/leader often wants a diagnosis, prescription, and sometimes assistance in implementing programs that involve others in the organization who have not been part of the helping process. (p.129)

「ほしがる」ですね。「診断や指示」はwant の目的語です。



2つめです。


変化を管理する原則の最もわかりにくい点は、クライアントが自発的に支援を求めるまで、誰をも変えられないということだ。 (p.210)
One of the most counterintuitive principles of managed change is that you can't change anyone until you can turn them into a client who is seeking help from you. (p.129)

原文下線部の意味が抜けています。直訳で「あなたは彼らを[who 以下のようなクライアントに]変えることができる」ですから、こんなところでしょうか。


計画的に進める変化において最も直感的に受け入れがたい原則のひとつは、相手が誰であろうと、あなたの支援を求めるクライアントにするまでは変えることができないということだ。



このブログにその原則を当てはめると、クライアントではないのですから、ここで取り上げたところで当該書およびその訳者の方の翻訳が変化しないのは当然だということになります。



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| 微妙に不正確 | 07:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
完了時制なので―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 7(その16)

1960年代にDEC 社が構築したという「エンジニアリング・ネット」に関する記述からです。(下線はやしろ)


だが、彼らはたとえば「○○のような問題がある人はいますか。何か意見はありませんか」といったように、一般的な依頼をネットワーク上でやり取りできる規範を作り出した。 (p.204)
…, yet they built norms that allowed them to go on the network with general requests, such as "Has anyone had a problem like this ...? Any ideas?" (p.126)

現在完了時制なので、「問題を経験したことのある人」ですね。


あと、例示されているリクエストはAny ideas? という非常にざっくりしたものなので、general はdetailed の反対語と取って「大ざっぱな」の方がいいと思います。



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| 微妙に不正確 | 08:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
治療の現場から―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 7(その15)

「事例7−1 癌治療の現場で目にしたもの――チームにおける支援」からです。2つあります。(下線はやしろ)


1つめです。


 地元の病院の腫瘍科で、妻が一週間にわたって癌治療を受けるために同行した際、… (p.198)
… when I went with my wife to her weekly chemotherapy treatment at the local hospital's oncology clinic. (p.122)

「週に一度の」ですね。weekly がそういう意味になる用例があるなら教えていただきたいです。



2つめです。流れを見るために少し前の文から続けて引用します。


 治療の日には、血液が病院の研究室に送られて分析される。というのも、測定値が正常な範囲内にないと治療が進められないからである。その間、担当看護師がやってきて妻に気分はどうだったか、どんな副作用が見られたか、それについてはどうするかと、先週の治療に関する話をする。 (pp.199-200)

「その間」以降の原文です。


The assigned nurse would then come in and talk to my wife about the previous week's treatment, how she was feeling in general, what side effects had been observed and what to do about them, and so on. (p.123)

「そんな気がする」以外の根拠はないですが、then は「それから」ではないかという気がします。「その間」と読むのも可能ですが、分析と並行してなら、別の表現を使う気がするので。


was feeling となっているのは、主節の動詞(would talk)が過去なので、それと時制を一致させるためです。つまり、話題はtalk の時点での感覚です。


about 以降はカンマごとに別々です。(1)… treatment (2)how … feeling (3)what side effects … (4)and so on の4つが話題だったということです。


以上をふまえ、こう直しました。


それから担当看護師がやってきて、先週の治療のことや、今の気分はどうか、今までにどんな副作用が見られて、それにどう対処するかなど、妻に話しかけるのだった。



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| 微妙に不正確 | 05:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
関係は素直に―『人を助けるとはどういうことか』Chapter 7(その14)

「フィードバックという支援」セクションの締めくくり部分からです。(下線はやしろ)


 ここではフィードバックの分析に必要なものをチームワークとの関連で見てきたが、… (p.198)
Though the analysis of feedback requirements was made here in the context of teamwork, … (p.121)

語句の関係が違います。「フィードバック要件の分析」ですから、これぐらいですね。


 ここではフィードバックに求められるものの分析をチームワークにからめて行ったが、



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